給与収入と事業収入の変化の違いと、精神(心)への影響

いざ起業してみると、起業前には想定もしていなかった様々な変化に翻弄されることがあります。

そして、会社勤めから起業・開業して独立した事業者のほぼ全員が体験するのは、給与収入と事業収入の変化の違いです。

 

目次

給与収入と事業収入の変化

起業・開業する前に、給与収入と事業収入の根本的な違いについて解説します。

 

給与収入

アルバイトの場合は労働時間と比例した金額、会社勤めの給料は基本給+その他(残業代、成果報酬)ではないでしょうか。

その為、各月の収入がほぼ一定なのが特徴です。

個人や会社の業績により、ある程度上下しますが、それほど極端な上がり下がりはありません。

 

事業収入

基本給などのような固定のものは何もありません。成果がそのまま収入になります。

金額の大小に関わらず、収入額は上がり下がりします。

 

給与収入と事業収入の比較

給与収入と事業収入を重ねてみましたが、実はこの両方とも年収は400万円になるよう作成しました。

1年間を通しても同じ金額だったとしても、給与収入より事業収入の方がアップダウンの変化幅が大きいことがほとんどではないでしょうか。

もちろん、ある程度の上限が設けられた給与収入と違い、事業収入はその上限が特にありませんが、ここでお伝えしたいのは、このアップダウンの事業者への精神的な影響です。

 

収入の違いが精神(心)に与える影響

これから各内容は、これから起業・開業する方全員が直面する内容です。

先程のグラフを精神面から見てみましょう。

まずは給与収入のグラフをじーっと見てみてください。そして、自分自身がその状態だと思って感じてみてください。

この一定した収入だと、生活設計が立てやすいです。また、来月、再来月の収入もそれほど変わらないな、と見通せます。

それに対し、事業収入の場合はどうでしょうか?

もし、今3月の時点にいるとします。収入が前月2月の半分以下でした。

すると、

  • これで大丈夫だろうか
  • このまま収入が落ち込んでしまったらどうしよう

など、不安を感じるかもしれません。

そして、4月になって収入が回復して精神的に落ち着いてきます。

翌月5月には、収入が68万円になりました。すると、とたんに大喜びします。2ヶ月まえの心配はどこえやら、心も落ち着いて財布の紐がゆるくなるかもしれません。

しかし、6月には収入が大きく下がり、また不安になります。7月になりまた収入が増え、気分も高揚して・・・。

このように、収入と感情(喜怒哀楽)がリンクし、収入と感情が一緒にダンスするかのように、踊ってしまうわけです。

 

感情のダンスにより、やがて心の平安を失っていく

私は事業収入がゼロの状態からが徐々に増えていくにしたがって、とても喜びました。経済的に余裕のない生活が続いていたため、乾いたスポンジが勢い良く水を吸い込んでようやく潤い始めた、そんな感じがしました。

しかし、その喜びの状態も長くは続きませんでした。上記のように収入のアップダウンがあり、また翌月の収入も何ら保証されたものではないことは知識としては知っていても、”もし、何かがきっかけで、売上が下がってしまったらどうしよう・・・”と心が不安に囚われるようになったのです。

不安を払拭するように、作業に没頭するようになりました。しかし、どれだけ作業をしても、この心が不安な状態から抜け出すことができませんでした。

時折、どこかで読んだ文が頭によぎります。その内容の中で、起業した夫が悪戦苦闘している様子を見ていた妻が発した言葉です。

「そんなふうになるなら、起業なんてしなければよかったのに」

そして、私自身もまさにそれが当てはまる状態になっていました。

「確かに、このような精神状態になるなら、まだ会社勤めの頃の方が良かったかもしれない。」

 

やがて時が経って、私はある時気づきました。

「どれだけ行動しても、不安が無くならない。この不安は、収入(外側)にあると思っていたが、どうやら私自身(内側)にあるようだ。」

 

心の平安を取り戻す

一度失ってしまった心の平安も、適切な方法により、取り戻すことができます。

私自身が実際に行った方法を紹介したいと思います。

 

不安に向き合う

明日にはどうなってしまうかわからない、突然売上が落ちてしまうかもしれない、という不安。

この不安、自分自身の心を見つめて行く内に、その不安の発生源を突き止めることが出来ました。

それは、

”貧しかった頃に戻りたくない”

この思いでした。

 

事業が軌道に乗るまでアルバイトでなんとか生活できる程度の経済力しかありませんでした。スーパーで買い物するときも1回500円程度に収まるようにしていました。最低限度の生活はできるものの、ゆとりの無い、窮屈な生活が続いていました。

私は収入が落ちるたとき、またあの窮屈な生活の頃に戻ってしまうのではないか、もうその状況に戻りたくない、それが不安の原因でした。

 

受け入れ、溶け合う

不安の原因を特定しましたが、これをどうして良いか、どう扱えばよいか、困惑しました。

不安の原因となった思いを、箱の中に入れて蓋をするように、心の奥底にしまって見ないようにしました。しかし、その思いは何かがきっかけでやはり表に噴出し、私の心を動揺させました。

何度もこの思いと綱引きをし続けた結果、心に奥にしまって蓋をするような行為は、根本的な解決にならない、とわかりました。

 

ある本に、

質問者:「受け入れ難いものをあなたはどうするのですか?」

回答者:「私は愛するのだよ」

というような対話が書かれていました。

 

そこで、私は思い切って新たな試みをすることにしました。

私の心にある、あの頃の自分、もうなりたくない自分を受け入れることにしたのです。

覚悟を決めたある日、静かな部屋で、私はその時のなりたくない自分が目の前に立っている姿、を非常に高い集中力で想像しました。

 

彼は疲れていました。暗中模索で経済的にも精神的にも厳しく、不安な様子でした。

私は、彼と徐々に近づきました。

そして、両手を大きく広げ、優しく包み込むように抱擁しました。

「もう大丈夫」

彼をしっかりと抱きしめると、私は目から涙が溢れてきました。

しばらく抱擁すると、彼の姿は徐々に透けるように消えていき、私の身体と溶け合って、一つになりました。

 

この体験により、私の中の何かが深く癒されました。

これ以来、この内容により不安に陥ることがなくなりました。なぜなら、うまくいっている自分も、そうでない自分も、どちらも心から受け入れたからです。

心が彷徨うことがなくなり、意識が今現在、為す作業に集中できるようになりました。

それはまるで、どこかで分離してしまった自分自身の”かけら”を拾って本来の場所に戻した、そのような感じでした。

 

最後に

起業すると、様々な不安に陥ることがあります。その理由は明白で、本人が自覚するしないに関わらず、どこか心の奥深くで頼っていた外的な何か(安心・安定)への依存から引き剥がされるからです。

そして、ある程度の収入は社会的な生活を過ごすのに大切なため、経済面・お金に関わる内容は精神状態への影響も大きく、不安要素になりがちです。

しかし、この不安も真剣に向き合えば、一つまた一つと癒やされ、為すべき仕事に集中することができるようになります。

起業・開業者が直面しやすい不安は他にも多数ありますので、気づき次第、記事にしていきたいと思います。

 

 

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